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加藤慶二

国際ロマンス詐欺の二次被害について

現在、国際ロマンス詐欺が増えているといわれています。ロマンス詐欺とは、例えば以下のようなものです。

婚活アプリを利用しているAさんのもとに、ある時、Bさんから「とても素敵ですね!ぜひつながりましょう」などとダイレクトメッセージが届きます。好感をもったAさんはBさんとメッセージを続けるように。どんどん仲良くなるうちに、あるとき、Bさんから、投資でもしてみないか、などとメッセージがあり、Aさんが多額のお金を振り込んでしまう(銀行振り込みではなく、日本円をわざわざ換金して仮想通貨によって支払ってしまう場合もある)、というものです。

この被害は本当に今増えていて、数百万円規模のお金を詐られてしまう人も少なくありません。言葉巧みに人を騙す、このような手法は許されるものではなく、根絶されるべきです。

そして、このような国際ロマンス詐欺は、一般的には被害回収が難しい案件であるといわれています。

もちろん、常に不可能というわけではないので、回収に成功した事例もあります。

しかし、確実に回収できる類型ではなく、少なくとも難しい類型であることは間違いありません。

ところが、昨今、弁護士などが誇大広告などを行い、ロマンス詐欺に遭われた方たちを対象に、さらなる詐欺を行っているとしか思えない実態が報告されており、これが国際ロマンス詐欺の二次被害と呼ばれるものです。

例えば、ホームページなどで、被害金額のうち8割~9割が回収できたとか、〇〇千万円を回収できたといった誇大広告を載せるなどして、依頼者を誘いこみ、多額の着手金を振り込ませます。契約締結時も、そしてその後も、依頼者は依頼した弁護士と直接会ったことはなく、やり取りはSNSなどで行うことが多いようです。

そして、結局、多額の着手金を払ったものの、被害回収ができず、事件処理が終結してしまいます。

繰り返しますが、もちろんケースごとに事情は違うので、全くの虚偽であるとはいえないものの、国際ロマンス詐欺というのは、一般的に回収が困難であることを考えると、上記のような誇大広告はミスリーディングと言わざるを得ません。

そのような危機意識からか、異例ながら、東京弁護士会も、「国際ロマンス詐欺案件を取り扱う弁護士業務広告の注意点」という注意喚起を発信しています。

ここでも、「当本部広告調査部会による調査の過程で、国際ロマンス詐欺の被害回復は現実には難しく、多くの場合、被害を全く回収できないか、ごく少額の回収にとどまることが多いのに、弁護士に依頼すれば高額の回収が確実であると誤信させるような弁護士業務広告をしていたケースも散見されました。」とされているところです。

しかも、2023年12月には、国際ロマンス詐欺をめぐり、弁護士の名義を使わせて被害金の回収業務を行わせたなどとして、大阪府が、東京の弁護士ほか4名を弁護士法違反容疑で逮捕しています。その事務所は約300人から回収業務の着手金として1億円超を集めていたと報道されていす。

弁護士たるもの、依頼者のために汗をかくこと、依頼者のために活動することは言うまでもありませんが、弁護士として依頼者に甘いことばかり言うのではなく、時には厳しいことを言うことも必要ですし、事件の見通しが厳しければ、それを伝えることこそ、依頼者の方の利益になるものと思われます。

なお、国際ロマンス詐欺の二次被害に遭った場合には、今度は、その弁護士などに対してお金の回収を求めていくことになるでしょう。

加藤慶二

「よい弁護士とは、どのような弁護士ですか?」と質問されることが時にあります。「知識」が重要であることは言うまでもありませんが、法知識にだけ特化する弁護士ではいけないと思っています。クライアントの方と並走できる「話しやすい弁護士」でありたいです。