いま、高齢者が持っている自宅を、安値で買い取りたい、といわれ、自宅を売却してしまう、いわゆる「押し買い」被害・「訪問購入被害」が多発しています。
これは、大変大きな社会問題で、許されるものではありません。
ここ数年の報道などで、「老後になるとまとまったお金が必要だ」「日々の生活資金が足りないと困ったことになる」といった言われるようになりました。
そのため、ご高齢者の皆さんの中には、自宅はあるものの、手元にまとまったお金がない場合、今後の生活に対して不安を持っている方がたくさんいます。
そのような気持ちに付け込んで、最近、「押し買い」被害・「訪問購入被害」が発生しているのです。
どのような被害内容かというと、概ね、以下のようなものです。
突然、自宅を営業マンが訪問します。そこで、
「今後の生活に不安がありますよね?」
「もしよければ、うちの会社に自宅を買わせてもらえませんか?」
「ただ、別に自宅から出ていく必要はありませんよ。弊社はあなたから家を買わせてもらいますが、同時に、家を貸す契約も交わします。そのため、あなたは今後も、今のおうちに住み続けられます。むしろまとまったお金が手元に残りますし、老後の不安がなくなります」
といって、家の購入を申し出るのです。
自宅を訪問する営業マンは、ほとんどの場合、誠実そうで、悪い人には見えません。話し相手になってくれたり、頻繁に家を訪問してくれて、優しそうに見えることが多いそうです。
そのため、ご高齢の方は、ついつい信じて、ハンコを押してしまうのです。
ただ、契約書をよく読んでみると、とても安い値段で不動産を売却するとあったり、そもそも、「今後も住み続けられます」というのが真っ赤なウソであって、家を貸すこと自体が書かれていない場合もあります。
また、家を貸すこと自体は、リースバックといわれ、違法なことではないのですが、家を貸し付けることが書かれていても、高額な敷金や更新料が発生する形になっていたりして、ご高齢の方からしてみたら「こんなはずじゃなかった」という例はとても多く報告されています。
このような被害に遭わないためにも、普段から、注意をしておくか、ご家族間で共有しておくなど、話し合っておくことが考えられます。
※個人のホームページにも同様の記事を載せています。