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加藤慶二

政治資金パーティー収入の適法な処理について

「政治家はどうしてそんなにたくさんのお金が必要なのですか?」という質問を受けることがあります。政治家は高い歳費(いわゆるお給料)をもらっているのだから、それ以外に多額の金が必要なのかだろうか、という疑問です。

ただ、質のいい政治活動をするには、当然にお金が必要だと思います。

例えば、街を歩いていると、政治家がチラシを配って街頭演説をしていることがあります。そのチラシ作成に関しては、当然に費用がかかっています。ほかにも、(国会議員であれば)議員会館の事務所の他に、地元に議員事務所を構えることがありますが、持ちビルでもない限り、事務所を構えるためには賃料がかかります。事務机やコピー機をそろえれば、その分お金がかかりますし、ほかにも、自分の知見を深めたり、政治活動・議会活動をサポートしてもらおうとスタッフを雇えば、それによって人件費もかかります。このように、充実した活動をすればするほど、お金が必要になるとはいえそうです。

悪いイメージを持っている人もいるようですが、政治家が、政治献金をもらったり、政治資金パーティ―を開催してお金を集めようとするのは、決して悪いことではありません。

ただ、その代わり、政治資金規正法は、政治資金の収支をきちんと国民に公開することを求めます。政治資金規正法は、政治家がお金をどのように集めたのか、どのように使ったのかなどについての是非は国民の判断に任せる代わりに、政治資金の流れを国民に適切に公開することを求めているのです。

このような法律の建付けからすれば、政治資金の授受(じゅじゅ)を隠すことは許されないことになります。政治団体は、定期的に「政治資金収支報告書」というお金の収支を記載した報告書を出さなければいけませんが、その収支報告書を提出しなかったり、記載すべきことを記載しなかったり、また虚偽を記入すると、政治資金規正法違反となり、刑事罰の対象になります。

上でも少し触れましたが、政治資金パーティ―とは、パーティー券を買ってもらうことで、その収益(正確にいえば、パーティ―にかかった費用をひいた、その残額)を自分の政治活動の活動費に充てることを目的としたイベントです。

政治資金パーティ―を開催して、収入を得れば、自分の政治団体の収支報告書に記載しなければなりません。

そして、政治資金パーティ―は、政治団体でなければ開催することができません。

もしも、政党内にある派閥や政策グループが政治資金パーティ―を開催した場合、そのパーティ―券の収入は、その派閥や政策グループに計上されます。たとえ、(派閥や政策グループの)所属議員がいろんな人にパーティ―券を買ってもらうよう依頼したとしても、勝手に所属議員が売り上げをもらってはいけません。

その派閥や政策グループが、所属議員に、パーティ―券の売り上げの一部を渡したいと思った場合には、「派閥・政策グループ」から「所属議員の政治団体」に寄附するという形にする必要があります。そして、寄附をした側も寄附を受けた側も、寄附に関して政治資金収支報告書に記載します。この形にすれば、年間5000万円以内という規制はありますが、適切といえるでしょう。

もしも、それをせずに、派閥・政策グループが、所属議員の政治団体にお金を秘密裏に渡していたとしたら、「不記載」という意味で政治資金規正法違反です。また、寄付金額が年間5000万円以上であったりすれば、その点でも法律違反になります。

一方、派閥・政策グループが、議員の政治団体ではなく、議員本人にお金を渡していたら、(もはや「不記載」という次元の話ではなく)政治資金規正法は議員本人に政治献金を渡すことを許容していないため、その時点で法律違反であるといえるでしょう。

しかも、課税関係についても目を配れば、もともと、政治団体は政治献金という形でお金を受け取っている限り、その寄付分については課税されないという運用になっているのですが、派閥・政策グループが議員本人に寄付しているとなると、課税対象にもなりかねませんから、その意味でも、問題があることになります。

以上

〔ほかにもブログを書いています〕

https://kato-keiji.com/blog/category/legislator-support/

加藤慶二

「よい弁護士とは、どのような弁護士ですか?」と質問されることが時にあります。「知識」が重要であることは言うまでもありませんが、法知識にだけ特化する弁護士ではいけないと思っています。クライアントの方と並走できる「話しやすい弁護士」でありたいです。