私たちの仕事はあくまで、ご依頼者の方からの相談に基づき、具体的な紛争の解決を図ることを基本とします。しかし中には、個別の事件の解決を目指すことが、時代の問題と向き合うこととなるような事件も存在します。公益的訴訟や公共訴訟という領域です。
こういった領域の仕事に取り組む弁護士が多いことは、当事務所の特徴の一つと言えるでしょう。
所属弁護士の自由な活動を後押し
加藤慶二弁護士は、「結婚の自由をすべての人に訴訟」(同性婚訴訟弁護団:東京訴訟)の事務局長として、セクシュアル・マイノリティの方々の権利確立に取り組んでいます。
川上資人弁護士は、ウーバーイーツユニオンの結成を後押しし、また、フランチャイザーによるフランチャイジーの不当な扱い、あるいは大手eコマースサイトによる出店者への不当な扱いなどへの対処に取り組んでいます。
髙野傑弁護士は、黙秘権侵害の国家賠償請求訴訟に取り組んでいます。また、日本版DBS法の制度導入に伴う様々な問題点に警鐘を鳴らしてきました。
福田健治弁護士は、原発事故の被害者の賠償請求に継続的に取り組むほか、北朝鮮の帰国事業の被害者の方々を代理して、北朝鮮政府を相手取った訴訟を提起し、東京高裁の画期的な不法行為認定を勝ち取りました。また、情報公開クリアリングハウスを代理して、警察庁が保有する情報について、黒塗り不開示とした決定の取消を求める裁判にも取り組んでいます。
原島有史弁護士は、過労死問題に多く関わり、ワタミ事件の労働者側代理人の一人として画期的な和解に導きました。また、代理人の一人として関与した経済産業省トランスジェンダー職員の労働環境整備に関する裁判では画期的な最高裁判決を得て、この年の日本労働弁護団賞を受賞しました。(なお、同年には川上資人弁護士もウーバーイーツユニオンの活動で同賞を受賞し、受賞3事件のうち2事件が当事務所所属弁護士の活動によるものとなりました。)
この他にも多数の弁護士が様々な領域で新たな挑戦を続けていますが、書ききれませんでした。当事務所の弁護士の活躍の中で公開できるものについては、ニュース欄で随時ご紹介し、できるだけ社会に対して情報提供するように努めていまので、ぜひご注目ください。
こうして並べてみてみると、個別の取り組みに、特に脈絡はありません。また時には、相互に抵触するようなテーマにそれぞれの所属弁護士が取り組むこともあります(一例としては、性暴力被害についての処罰強化の運動と、刑事弁護の観点からの謙抑的な態度を求める運動は抵触しうる。あるいは帰国事業について北朝鮮政府の責任を追及する運動と、ヘイトスピーチへの対応を求める運動は抵触しうる。)
でも、それで良いのです。党派性に囚われず、それぞれの信じる「よりよい社会」に向けた活動を下支えする基盤となる事務所、それが早稲田リーガルコモンズ法律事務所の理想とするところです。思想信条はさまざまであっても、飲み会では仲良く酒を酌み交わせる関係でありたいものです。
卒業生の活躍
当事務所の卒業生も公共訴訟の分野で活躍を続けています。最近の卒業生を例に取れば、
戸田善恭弁護士は、公共訴訟を支える専門家集団LEDGEを立ち上げに参加し、日本初の公益訴訟に特化した法律事務所の代表となりました。
https://ledge.or.jp/
俵公二郎弁護士は、ウィシュマさん名古屋入管死亡事件などをはじめとして、日本で暮らす外国人の方々が不当な権利侵害に怯えなくて良い社会を作るための活動を続けているようです。
https://biao.hatenablog.com/
法の支配に基づいた成熟した市民社会を支える人材を輩出する事務所として、今後も所属弁護士の自由な活動を支援していきたいと考えています。