ニュース等で頻繁に登場する「政治資金パーティー」。政治家につきもののパーティーは、ホテルの大宴会場に多数の政治家や来賓が並んで「乾杯」をしているシーンを思い浮かべる方も多いだろう。
政治資金パーティーとは、「対価を徴収して行われる催物で、当該催物の対価に係る収入の金額から当該催物に要する経費の金額を差し引いた残額を当該催物を開催した者又はその者以外の者の政治活動(選挙運動を含む。これらの者が政治団体である場合には、その活動)に関し支出することとされているものをいう」と定義されている(政治資金規正法第8条の2)。つまり、一定の会場で誰かが挨拶するという催し物の体裁であれば、別にアルコールや食べ物の提供がなくても、収入から費用(会場費や資料代、飲み物代)を差し引いた残りの金額を政治資金として使える理屈になる。
つまり、一般的にイメージする結婚披露宴などの豪華な催しではなく、講演会やセミナーであっても、政治団体が主催すれば、政治資金パーティーに該当する。
なぜ多くの政治家は、寄附ではなく政治資金パーティーの形式をとって資金を集めようとするのか。
まず、政治団体や議員からすれば、何らの対価なく(当然対価があってはならないのだが)政治活動を応援してほしいと寄附を募るのは、ハードルが高い。
依頼された側も、金銭の寄附に抵抗を感じる人が多く、そもそも日本でそうした文化が浸透していないという背景もある。
他方で政治資金パーティーであれば、イベントの会費という名目が立つ。政治団体や議員の側としては、対価のある形での呼びかけになるので依頼をしやすいのだ。案内を受けた側も、会合の参加費を払う感覚で、パーティー券を購入するため抵抗感が少ない、という事情もある。また、差額が政治資金になるとはいえ、出席すれば、飲食をし、手土産も出ある場合もある。それらがなかったとしても著名人や政治家の講演を聞ける。全く恩恵がないともいえず、純粋な寄附よりはわかりやすく、具体的なものがあるので納得しやすい。寄附に抵抗感があっても、政治資金パーティー券であれば購入して良いと考える人は多いはずだ。
開く側にとっては、企業からの購入制限が政治資金パーティーにはないため、1回あたり150万円までであれば自由にパーティー券を購入してもらえるというメリットがある。
情報公開のあり方や、気を付けるべき点を踏まえて政治と関わる方法とは。
政治資金についての解説の詳細は、中公新書、竹内彰志『政治資金規正法 政治活動と民主主義のルールブック』(中央公論新社、2025)へ