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西野優花

コロナ禍における一人親家庭の苦境と支援制度

■コロナ状況下の一人親家庭の苦境

コロナ禍においてお子さんの保育園・学校が休校となり、働きに出られない一人親家庭の親御さんが苦境に立たされました。
従前からある子育て支援制度のほか、コロナ対策の緊急支援制度も利用を検討しましょう。

【返還の必要がないもの】

①子ども手当

0~中学校卒業までの児童を養育している人に対して支給されます。月額5000円~1万5000円が、毎年6、10、2月に4か月分まとめて支払われます(収入による支給金額変動あり)。離婚前の別居中で、子どもを監護していない配偶者の口座に入金されている場合、入金先を変更してもらうことができますが、弁護士の関与が必要となることが多いです。

②児童扶養手当

父母が離婚している、いずれかが死亡しているなどの条件に該当する子を養育している親が支給対象です。月額1万0180円~4万3160円が支給されます。

③就学援助

生活保護世帯・地方税の減免や非課税措置世帯が対象で、学用品、制服、給食、修学旅行費などの費用補助が受けられます。学校か教育委員会で手続きを行います。

④住居確保給付金

生活困窮者自立支援法に基づくもので、離職・休業中に一定期間の家賃相当額の支給を受けることができます。通常はハローワークへの求職申込が必要ですが、コロナ禍の特例として、求職がなくとも利用できることになっています。自治体や福祉事務所に設置される窓口を通じて手続を行います。

⑤年金・国民健康保険等の減額・免除

コロナ禍の緊急支援措置で、利用には申請が必要です。2020年2月分以降の保険料が対象で、遡って申請することもできます。

⑥国税・地方税の納付猶予

コロナ禍の緊急支援措置です。
確定申告で納税している人が対象で、1年間の納付猶予がなされます。
税務署で手続をします。

【返還の必要があるもの】

①母子父子寡婦福祉資金貸付制度

ひとり親になって間もない期間や、失業中に必要な金銭の貸付を受けることができます。保証人がいれば無利子、いない場合には年1%で、月10万5000円の貸付を受けられます。社会福祉協議会で手続を行います。

②生活福祉資金貸付

コロナ禍の緊急支援制度として、緊急小口資金(20万円・無利子)、総合支援資金(2人以上世帯は最大60万円・保証人なし無利子)の貸付を受けることができます。社会福祉協議会か、労働金庫で手続を行います。

■養育費が支払われなかったら?

民事執行法の改正により、2020年4月から、財産開示制度・第三者からの情報取得制度が始まりました!従前は公正証書を作成しただけでは相手方の預金残高の照会が困難でしたが、新制度により、相手方の財産を知ることのできる範囲が広がり、費用も低額となりました。発見された財産に対し執行手続を取ることで、養育費を確保することが容易になりました。

既に離婚をした方でも、養育費の確保等お困りのことがあれば、弁護士に相談してみましょう!

西野優花

一般民事・家事事件のご相談を数多くお受けしています。最近、法人の事業承継に関する書籍を執筆しました。我が子のように大切にされてきた事業を守り、ベストな状態で将来に残す方法を、皆様と一緒に考えていきたいと思っています。女性経営者からのご相談も歓迎いたします。 学校法人・学校法務に関するセミナーや研修講師も多数務めています。