2024年6月7日

俵公二郎弁護士が主担当として企画・準備をしたシンポジウム、「総会記念シンポジウム:最高裁国籍法違憲判決から15年~認知・国籍・在留資格をめぐる光と影~」が開催されました。

LNF(外国人ローヤリングネットワーク)の事務局を務める俵公二郎弁護士が、主担当として企画・準備をしたシンポジウム、「総会記念シンポジウム:最高裁国籍法違憲判決から15年~認知・国籍・在留資格をめぐる光と影~」が、2024年5月29日に開催されました。

(以下、シンポジウム案内文からの引用)

2009年以前には、日本人父と外国人母との間に生まれた子どもは、出生後日本人の父親に認知されても、両親が婚姻しなければ日本国籍を取得できませんでした。なぜ、日本人の父をもつ子が日本国籍を得られないのか、フィリピン人との間に生まれた子ども達(Japanese-Filipino Children:JFC)や母親らからの切実な声を受け止めた支援団体JFCネットワークは、弁護士たちに呼びかけて弁護団を結成し、国籍確認訴訟を提起しました。一審での勝訴、控訴審での敗訴を経て、2008年6月、最高裁大法廷は、国籍法3条1項は憲法14条1項に反するとして、原告らの訴えを認めました。
この違憲判決を受け、国籍法が改正され、日本人の父親に認知されたJFCが、両親の婚姻関係に関わらず、日本国籍を取得できるようになったことは、JFCの人生に大きな光を与える画期的な判決でした。
しかし、フィリピンで暮らすJFCやその母親にとって、日本での認知の制度や国籍取得の手続を正確に把握し、18歳になるまで全ての手続を終えることは簡単ではありません。また、日本での在留資格の取得、生計の立て方など来日へのハードルは高く、その支援を求めたJFCやその母親が人身取引被害にあってしまった例も報告されています。
JFCが認知を望むのは、国籍や在留資格、養育費請求などの実益のために限られるわけではありません。自分の父を知りたい、父とつながりたいという個人のアイデンティティに深く関わる問題であるにもかかわらず、今なお、認知の意義が社会一般に理解されているとは言いがたい現状があります。
本シンポジウムでは、2008年最高裁国籍法違憲判決を勝ち取ることができた背景とその意義、当事者にとっての認知や国籍の重み、違憲判決後も残された課題等について各登壇者にお話しいただき、認知や国籍、在留資格をめぐる問題と法曹が果たすべき役割について検討します。

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