原発事故子ども・被災者支援法 具体化訴訟の概要(支援法具体化訴訟弁護団)
1 背景
・2011年3月の原発事故後、避難区域にならなかった地域からも、放射線の健康影響を懸念して多数の避難が発生(区域外避難問題)。政府の支援や賠償は避難指示区域に偏り。
・避難しなかった人々の中でも、除染、食、保養・移動教室など被曝を避け放射線の影響を低減するための強いニーズ。
・2012年6月21日、居住継続・避難・帰還のいずれをも自らの意志で選択できるよう支援することをうたった「原発事故子ども・被災者支援法」(支援法)が超党派の議員立法により全会一致で成立。
・しかし、制定から1年以上が経た現在でも、同法に基づく基本方針は策定されておらず、支援法に基づく支援策は具体化してない。
2 訴訟の概要
・原告:19名。支援法が定める「被災者」の定義に該当。避難者12名、居住継続者7名。女性10名、男性9名。大部分は震災時福島市・郡山市。その他、北は宮城県丸森町、南は栃木県那須塩原市まで。
・被告:国(復興庁)
・裁判所:東京地方裁判所
・請求の概要((1)(2)は公法上の当事者訴訟、(3)は国家賠償請求訴訟)
(1) 政府が支援法に基づく基本方針を定めないことが違法であることを確認する。
(2) 各原告が支援法に基づく各支援策を受ける地位にあることを確認する。
(3) 国は原告らに対しそれぞれ1円を支払え。
・ポイント:①法が命じる基本方針策定を政府に要求。②1年間の遅延という異常性(過去ほとんどの「基本方針」は1年以内に策定)。③支援策が遅延する中深まる被災者の苦悩と困窮。
訴訟提起を受けた東京新聞記事はこちら
訴状等を記載した福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)ホームページはこちら