加賀山 瞭 弁護士インタビュー
地方赴任で市民法務を担う弁護士の育成に向き合う加賀山 瞭弁護士に、弁護士過疎地で培った視点とコモンズでの挑戦を聞きました。
Partner
加賀山 瞭Ryo Kagayama

「フラットでありたい」。弁護士過疎地での経験が、今の原点になっている。
「面白い仕事してそうだなって、外から見てて思ったんです。」
弁護士10年目を迎え、自身のキャリアに「少し頭打ちだな」と感じ始めていた時期。その壁を突き抜けるため、新しい分野に挑戦したいと、加賀山瞭弁護士はコモンズの門を叩いた。移籍後、自身のライフワークでもある「弁護士過疎地域で活躍する弁護士の養成」に携わる機会を得て、現在は後進の育成にも情熱を注ぐ。
まるで社会インフラ。弁護士過疎地で「自分しかいない」というやりがい
加賀山弁護士ご自身も、弁護士過疎地域で執務されたご経験について教えてください。
加賀山はい。2017年から3年間、兵庫県の淡路島にいました。弁護士3年目から5年目という若手の時期でしたが、都会と変わらないくらいの案件数があり、事件の種類も本当に様々で。経験できることをフルに経験させてもらったな、という感覚です。
過疎地ならではの「やりがい」はどんなところにありましたか?
加賀山都会にいると弁護士はたくさんいるので、「自分じゃないとこの人を助けることができない」という実感って、なかなかわきにくいと思うんです。でも弁護士過疎地は、本当に弁護士がいない。僕が行った当時、淡路島は人口14万人に対して弁護士は4人。病院やスーパーのように、弁護士が一種の社会インフラとして求められているんです。
自分がここで受けなかったら、その人は片道1時間、2時間かけて都会の法律事務所に行かなきゃいけない。「自分しかいないんだ」っていう、そういうやりがいをダイレクトに感じられる場所でした。
一人で執務する中、事件の相談などはどうされていたのですか?
加賀山孤独だなって感じることは、あまりなかったですね。
もちろん、難しい案件で悩むことはあります。そういう時は、自分が養成を受けた事務所の先生や、日頃からお世話になっている先生に相談していました。あとは、淡路島から少し足を伸ばして、神戸の弁護士会の先生に話を聞くことも。そうやって周りの力を借りながら仕事を進めていました。
都会でこそ活きる「調整役」としての経験
その経験は、現在の業務にも活きていますか?
加賀山すごく活きています。今、東京23区のとある教育委員会のスクールロイヤーをしているのですが、学校の先生や公務員、心理のプロと連携する場面が多々あります。その感覚が、淡路島で市役所や社会福祉協議会の方々と連携していたこととすごくフィットして、「懐かしいな」と感じるくらいです。あの経験が、物事の解決の見通しを立てる上での自分の「原点」になっています。
「人を育てることで自分が育つ」コモンズが養成にふさわしい理由
コモンズで、弁護士の養成に携わることになった経緯を教えてください。
加賀山弁護士過疎地の弁護士を養成することは、自分のライフワークとして、いつかはコモンズでもやりたいと思っていました。ただ、それはもう少し自分が力をつけてからかな、と。そんな中、移籍して割と早い段階でお話をいただいたんです。
実際にやってみて、やっぱりコモンズは養成にふさわしい事務所だと感じます。私一人でやろうと思いすぎず、私より経験も力もある先生方に助けてもらいながら進められていますから。「人を育てることで自分が育つ」というのは絶対にあるな、と毎回実感しますね。
今、弁護士過疎地域では弁護士の「なり手不足」が問題になっているそうですね。
加賀山そうなんです。今の若手は「地方で一人でバリバリ」というよりは、勤務弁護士志向が強い。制度自体が、今の文化にフィットしなくなってきている。だからこそ、現地でのバックアップ体制や、数年の任期を終えた後のキャリアへの安心感が重要になります。コモンズとしても、養成を終えた弁護士がまた一緒に働きたいと思ってくれたら嬉しいですし、そういう良いモデルケースを作っていけたらと考えています。

未来の仲間へのメッセージ
どんな人に仲間になってほしいですか?
加賀山新しいことをやってみたい、好奇心がある人。あとは「弁護士らしくない人」かな。
「弁護士らしくない人」とは?
加賀山弁護士って、「先生、先生」って言われているうちに、だんだんとっつきにくくなってくる人がいると思うんですが、一社会人として、市民の方々とフラットな関係で連携していくことに価値を置ける人の方が、過疎地では向いていると思います。僕自身、公私ともに「フラット」というのが一番の価値観かもしれません。
最後に、未来の仲間へメッセージをお願いします。
加賀山もし「誰かの役に立ちたい」と思って弁護士になったのであれば、弁護士過疎地での経験は、それを一番ダイレクトに感じられる場所です。
そういうところで働きたいと思ってエントリーしてくれる人がいるなら、私を含めコモンズでは全力でサポートしたい。一緒に楽しく仕事をして、共に切磋琢磨していけたらいいなと思っています。
Be the change that you wish to see in the world. — with Commons
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