Column

【刑事弁護】前科・前歴とは

私たちが、刑事事件の依頼者に必ず尋ねることがあります。

「今回より以前に、同じように警察につかまったりしたことがありますか?」
「刑事裁判にかけられたことがありますか?」
「刑務所に服役したことがありますか?」

これらは、依頼者に前科や前歴がないかどうかを確認する質問です。

前科や前歴があると、検察官による起訴するかどうかの判断や、刑事裁判で有罪とされた場合の刑の重さの判断の際に、不利な事情となり得ます。起こしてしまった事件の類型によっては、前科や前歴の有無や内容によってある程度判断の内容が予測できる場合もあります。

前科・前歴の有無や内容というのは、刑事弁護をする上で非常に重要な意味を持つ情報なのです。
会って間もない相手に尋ねるにはとても勇気のいる質問ですが、きちんと情報を共有してもらえなければ、適切な刑事弁護はできません。

この「前科」「前歴」という2つの言葉について、きちんと区別できていないという人も多いのではないかと思いますので、簡単に解説します。

前科とは、過去に「有罪の判決」を受けたことがある、ということを意味します。有罪の判決とは、裁判所で実刑判決を受けた場合はもちろんのこと、執行猶予が付いた場合や、略式罰金(正式な裁判の手続を経ずに、検察庁で書類を作成して罰金を納付する刑罰)も含まれます。
この、略式罰金とよく混同されるのですが、交通違反をした際に支払う罰金のうち、青切符と呼ばれる紙を渡されて納付するものは「反則金」と呼ばれるもので、これは前科の対象となる「罰金」とは別のものです。

他方、前歴とは、警察・検察から、犯罪の嫌疑を受けた経歴のことです。犯罪の嫌疑をかけられて逮捕されたが、結局不起訴(起訴猶予の場合も含みます)になり、刑罰を受けていない場合が典型的な例です。この場合には、前科ではなく、前歴として、捜査機関側の記録に残ることになります。

最初に述べたように、起訴するか起訴猶予にするかの判断、刑の重さをどうするかの判断の際には、その人の前科・前歴が考慮され、不利に働くことが多くあります。
しかし、仮に前科があったとしても、それが相当昔のものであったり、今回の件とはまったく関係のない種類の前科であったりすると、必ずしも重く考慮されるわけではない場合もあります。
こういった事件は、まさに弁護人の腕の見せ所です。

また、前科があると海外渡航の際に制限を受けたり、前科の中でも懲役刑の前科があると特定の職につけなかったり、その種類に応じて具体的な不利益も出てきます。
できるだけ早い段階で正確な情報を共有し、弁護人と一緒に事件の見通しを立て、方針を決めていくことをおすすめします。

Like this article?

Share on facebook
Share on Facebook
Share on twitter
Share on Twitter

We are Here to Help

リーガルコモンズにお任せください

京都の皆さまも、他の地域の皆さまも、お問合せはお気軽にどうぞ。

オンラインでのご相談にも対応します。

Waseda Legal Commons KYOTO

早稲田リーガルコモンズ法律事務所 京都オフィス

TEL: 075-366-4761

受付 平日9:30-18:00