インタビュー(川上 資人) - 早稲田リーガルコモンズ法律事務所

大学卒業後、青年海外協力隊やあしなが育英会での勤務を経て弁護士になり、当事務所に2019年6月からパートナー弁護士として参画している川上資人さん(68期)にインタビューしました。

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PROFILE

パートナー弁護士。2002年早稲田大学卒。大学卒業後、青年海外協力隊員としてアフリカに赴任し、ニジェール共和国で農業協同組合の設立支援などに携わる。その後、あしなが育英会での勤務を経て、2015年に弁護士登録(68期)。2019年6月から当事務所に参画。

弁護士になるまでの経験と道のり

――川上先生、今日はよろしくお願いします。川上先生といえば、「ウーバーイーツユニオン」や「楽天ユニオン」の活動が注目されていますね。弁護士になるまでの経歴もすごく個性的だとお聞きました。

こんにちは。今日はよろしくお願いします。私のことは「先生」ではなく、川上さん、と呼んでください。
私は日本で育ちましたが、両親が海外の人と交流する機会が多い仕事についていたこともあり、海外の人や、自分と違う世界にいる人への興味を持って育ちました。

中学を卒業して高校に進学しましたが、ピースボートの事務所に出入りしたり、解体業の現場で働いたりしていました。結局、高校は2年目の1学期で退学して、バイクでの日本一周を目指して旅に出ました。

 

出発したのが夏の終わりだったので、寒くなる前に北の方面から回っていこうと思い、野宿を重ねながら北海道に向かいました。北海道では、知床・羅臼の水産加工場で一日中タコを茹でる仕事をして冬を越しました。その後も、建設現場などで働きながら北海道ですごしたのですが、やはり大学に入って勉強したいと思い、東京に戻って定時制高校に入り直しました。

受験勉強をして、早稲田大学の商学部に入りましたが、1年目は音楽活動に明け暮れてほとんど講義に出ませんでした。反省し、せっかく大学に入ったのだから勉強は真面目にやろうと思い直しました。

その後、2年生の夏に旧ユーゴスラビア諸国を訪ねて、戦争で生活を壊された住民の方々の話を聞いたのをきっかけに、国際関係学を学びたいと思い、学内の交換留学制度を利用して、アメリカの大学に留学しました。

――アメリカでの留学や、その後の海外赴任ではどんな出会いがありましたか?

アメリカの大学で一番仲良くなったのは一人のアフリカ系アメリカ人学生だったんですが、彼女と話す中でアフリカへの関心が強くなり、アフリカ、特に開発途上国を支援する現場で働きたいと考えました。彼女は貧しい家庭の出身だったのですが、成績優秀者として奨学金を得て、その後アメリカで弁護士になりました。今でも交流を続けています。

大学を卒業してからは、まずは現場を知りたいと思い、青年海外協力隊員としてアフリカに赴任し、ニジェール共和国で農業協同組合の設立支援などに携わりました。ニジェールではフランス語が公用語なのですが、私はフランス語以外に現地で話されているザルマ語も勉強しました。現地の人たちはみんな心の優しい人達ばかりで本当にお世話になりました。

青年海外協力隊の任期を終えてからは、英語の通訳の仕事がきっかけとなり、あしなが育英会で勤務しました。一方で、ニジェールから帰国してからも、音楽活動を続けていました。
あしなが育英会の仕事も大変やりがいのある仕事で、たくさんのことを学ばせてもらっていたのですが、あしなが育英会を退職して、音楽活動に専念することにしました。

 

――仕事をやめてミュージシャン目指すってすごい勇気だと思いますが、何か理想のミュージシャンの生き方のようなものがあったのでしょうか。

いいえ、誰みたいになりたい、ということではなく、ただそういう生活をしたかったということです。
しかし、仕事を辞めて、3年間一生懸命音楽をやったのですが、やっぱり厳しかった。

当時は英語の塾講師や、翻訳の仕事を非正規雇用でやってなんとか生計を立てていたのですが、その頃リーマンショックが起きました。
私は、1カ月毎や3ヶ月毎に契約を更新する派遣の仕事をしていたのですが、契約期間の先が見通せない働き方の不安定さが身に染みていました。そこで、そのような働き方に一石を投じたいと思い、弁護士を目指すことにしました。

――高校生の頃からいろいろな労働の現場や、世界をみてきた川上さんならではの決意ですね。弁護士として働くことについて具体的なイメージはその頃からあったのでしょうか。

弁護士としての具体的なイメージということより、とにかく必死に勉強しました。ただ、司法試験の勉強を始めた頃、新聞に「年越し派遣村」に関わっている弁護士さんの記事が大きく載っているのを読んだことは大きな出来事だったと思います。「弁護士っていろいろなことに携われるんだ」と思い、自分も弁護士になれば、自分のように非正規の仕事で苦労している人の役に立てるのではないかと思ったことを今でも覚えています。

 

なぜコモンズに?そして、川上さんが語るコモンズの魅力とは

――弁護士になるまでの人生だけでもすでに波乱万丈な川上さんですが、コモンズで働き始めて、どうですか。どんなところが気に入っていますか?

コモンズのことは弁護士になった頃から知っていて、いろいろなタイプの弁護士が幅広くいて、面白い事務所だなと思っていました。
コモンズのいいところはとにかく、固定観念にとらわれない、というところです。弁護士同士で何か議論する際も、主義主張や立場に縛られないで、そのとき、その人や社会にとって何がよいのか、ということをゼロベースで議論することができる事務所です。そこがすごくいいところだと思っています。

――川上さんというと「ウーバーイーツユニオン」の立ち上げに携わるなど、「労働弁護士」としてのイメージが強いのですが、コモンズでの労働事件のやりやすさや、強みなどはありますか?


コモンズには私以外に労働事件を専門的に扱っている弁護士もいるので相談することもできますし、コモンズの外の弁護士と協力して事件に取り組むこともできます。
しかし、労働事件だからやりやすい、やりにくい、ということは特に感じません。それよりもむしろ、いろいろな分野の専門家がいるのがコモンズの強みだと思います。行政事件などの公益に関する事件から、刑事事件、企業法務、著作権や知財など、あるいは企業会計に精通した弁護士など、とにかくいろいろな専門性をもった弁護士がいます。
弱い立場の人のために何かやるにしても、いろいろな分野の知識を結集させて取り組むことができます。これがコモンズにいることの強みだと私は思っています。

――自分とは違う立場からの視点も踏まえて仕事ができるというのはすごく貴重ですし、心強いですね。最後に、コモンズで働きたいと考える方にメッセージをお願いします。

コモンズには「こうあるべき」という固定観念のようなこだわりはありません。でも、「自由、革新、貢献」を共通点に、みんなで議論しながら、価値をつくっていこうとしています。私はそこに「寛容(tolerance)」も付け加えたいと思っています。

寛容さをもって、一緒に楽しく働きましょう。お待ちしています!