インタビュー(朝倉 理紗) - 早稲田リーガルコモンズ法律事務所

大規模法律事務所や民間企業で企業法務に取り組んだ後、2016年にコモンズでの執務を開始、現在は2人のお子さんの母親として育児を行いながら、家庭裁判所の非常勤裁判官(家事調停官)としても活躍している弁護士の朝倉理紗さん(61期)にインタビューしました。

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PROFILE

2001年慶應義塾女子高等学校卒業、2005年慶應義塾大学法学部法律学科卒業、2007年慶應義塾大学法科大学院修了。2008年弁護士登録(61期)、2008年~2014年森・濱田松本法律事務所にて執務。2015年株式会社ジュピターテレコム(J:COM)にてインハウスローヤーとして執務。2016年より当事務所参画。

企業法務全般及び家事事件を主要取扱分野としつつ、2018年より東京家庭裁判所にて非常勤裁判官(家事調停官)としても執務している。

弁護士になるまで

――どんな子供時代、学生時代でしたか?弁護士を目指したきっかけについても教えてください。

 小さい頃は人見知りで口数が少ない子どもでした。文章を書くことは得意でしたが、とにかく人前で話すのが好きではないタイプだったので、将来弁護士になるとはおそらく誰も予想していなかったと思います。

 女性で、背の順は前から1~2番目が定位置と小柄だったので、自分は力や体力では勝負できない、と思って育ったところがあります。一方で、勉強に関しては体格が不利にならないと感じていたので、その延長で資格を取得することに漠然とした興味は持っていました。私自身が法律の道に進もうと思ったのは、高校生の頃、法学部に通っていた兄の大学の定期試験問題を目にして、面白そうだなと思ったのがきっかけでした。推理小説が好きだったので、刑法の問題が謎解きのようで面白そうに見えたのだと思います。

また、ちょうど同じ頃に、弁護士に問題解決をしてもらうことで、法律的な部分だけでなく、精神的にも状況が改善されるという事例を身近で経験したことがあったので、法曹の中でも当事者の最も近くで寄り添うことができる弁護士を目指すようになりました。

――弁護士のキャリアとして企業法務を選択したのはなぜでしょう?

 当時から家事事件をはじめとした一般民事事件にも興味はありましたが、大手法律事務所で多様な経験を積むことは新卒のうちにしかできないと思い、まずは企業法務を扱う大手の法律事務所に入所しました。国内事件を取り扱う部門に所属し、企業の継続的な相談への対応や、訴訟案件が中心でしたが、顧問先からの紹介で家事事件を担当することもありました。優秀な先輩弁護士たちが徹底的に仕事に取り組む姿を目の当たりにして、たくさんのことを学ばせてもらいました。

――その後、一般企業の法務部でいわゆるインハウスロイヤーとして勤務されたんですね。それまでの経緯なども教えていただけますか?

 大手法律事務所に入所後、第一子を出産しました。実母に手厚くサポートしてもらえる状況にあったので、早期に事務所に復帰できたのですが、復帰から1年ほどして、その母がクモ膜下出血で倒れて、植物状態になってしまいました。まだ子どもも1才を過ぎたばかり、そして同業の夫も独立して多忙だったので、ある日いきなり、育児に加えて介護の負担が積み重なるような状況になってしまいました。そんな厳しい状況でしたが、周囲の方々に恵まれたこともあり、第二子の産休・育休の期間も含め、法律事務所での執務をその後も続けることができました。

しかし、やはり持ち帰って夜中に仕事をしなければならない時は体力的にきつく、定時に仕事を切り上げることができる環境を求めてインハウスに移籍しました。

なぜコモンズに?

――コモンズにはどのような経緯で参画されたのでしょうか

 企業の法務部では、概ね定時に仕事を切り上げられるようになりました。一方で、有給休暇等の取得では育児や介護に使える時間に限界もあり、会社員としての就業することの難しさに直面しました。というのも、私は所属先の法務部では新入社員としてとして働き始めていたので、有給休暇が限られた日数しかなく、子ども二人分の平日の行事と母の介護のための通院のスケジュールを回すのにすごく苦労したんです。
 それに、弁護士になった当初から取り組んでいた家事事件に触れられなくなっていたのも残念で、やはり自分は裁判所で代理人として活動したいのだ、と感じるようになっていました。
 そんな折に、コモンズのメンバーの一人とたまたま話す機会があり、心情を正直に語ったところ、シニアアソシエイトの制度をおしえてもらいました。一定の経費負担があり、給与が出るわけではないものの、その分働き方は自由という制度でしたので、自分の裁量で働いて、プライベートにも時間を使いたいと思っていた私にはとても魅力的で、即座に応募を決めました。私は、慶應出身なので、早稲田ロースクール出身者が多いコモンズに飛び込むのは少し不安でしたが、全く関係なく快く受け入れてもらえて嬉しかったです。

――コモンズで働く今、執務の環境は朝倉さんにとってどのように変わりましたか?

実は、インハウス勤務をやめて弁護士事務所への復帰を考えた際、育児と介護の両方を抱えながら法律事務所で働くことは不可能なのではないか、と半ばあきらめていました。しかし、コモンズでは弁護士の働き方や仕事の仕方がそれぞれの弁護士の自由に委ねられていたので、私も自分が望んでいた働き方で執務することができるようになりました。
 
 また、コモンズに移籍してから、もともとやりたかった家事事件を多く扱えるようになりました。そこで、もっと家事事件の研鑽を積みたいと思い、コモンズに移籍してから2年ほどして、東京家庭裁判所で家事調停官としての執務を始めました。これにより、弁護士として自分が担当する事件数よりも遥かに多くの家事事件に触れられるようになりました。そして、その場限りの解決ではない、当事者の家族の今後の幸せの在り方を俯瞰して考えることが出来るようになったと思います。

――コモンズでの働き方についてもう少し詳しく教えてください。

 はい、現在は、週一回家庭裁判所で調停官として、終日裁判所で執務しています。それ以外の日は、予定にあわせて柔軟にリモートワークを活用しています。

長い闘病生活の末、一年ほど前に実母を見送りましたが、病院へのお見舞いの回数等も制限することなく、後悔のない看取りができました。また、育児についても、子どもたちの平日の行事等に自分で仕事を調整して対応することができています。

介護を悔いなく終えて、育児にも自分の手で取り組めているのはコモンズに移籍できたからだと思っています。そもそも弁護士の業務では、リサーチから書面化に至るまで、まとまった時間を要することが多いので、弁護士全員が一律に仕事の時間を圧縮するのは難しいかもしれません。しかし、作業する時間帯や場所を自由に選択することで、柔軟なワークライフバランスを実現することは可能です。

その点、コモンズは、同世代の弁護士が多いので、子育て世代も多く、また、男女関係なく育児の話を共有しやすい雰囲気です。男性弁護士でも、お迎え担当の日の飲み会は欠席したり、お子さんの体調不良で在宅執務に切り替えたりすることも日常的にあるので、育児中の女性弁護士だから肩身が狭い、と感じるようなことはありません。

――今後のコモンズにかける思い、そして志望者へのメッセージをお願いします。

 積極的に業務を拡大していっている年次の弁護士が多いので、多様なものを受け入れていく意識や、社会の新しい流れに関わっていこうという意識が高いところがコモンズの強みだと思います。

 新しく参画する弁護士が入ると、それぞれの得意分野が活かされているのを感じます。これからも、さらに新しい風を吹き込んで、総合力のある法律事務所を目指していきたいです。

 また、私のような育児や介護といった事情や、他にやりたい活動とのバランスから、法律事務所での執務をあきらめかけている弁護士の方がいたら、是非コモンズでの執務を検討してみてもらいたいです。きっと、私のように道が開けるのを実感してもらえると思います。

 いろいろな人とこれからもコモンズで一緒に働くことを私も楽しみにしています。